刀とピストルと万国公法

 司馬遼太郎の『竜馬がゆく』にこんなエピソードがある。

 土佐の若侍が、当時流行していた長刀をこれみよがしに腰にさしているのを竜馬が見とがめ「長いだけでは実践的ではない。短い刀がいい」と言って、自分の短い刀を見せた。若侍は、「なるほど」と思って、すぐに長刀を止めて短い刀にした。
 その若侍が久しぶりに竜馬に会って、「短い刀にした」と報告をすると、竜馬は懐からピストルを出して一発ぶっぱなした。もうピストルの時代だということである。
 さらに数ヵ月後、竜馬に会うと、今度は「これからはこの本が役に立つ」と「万国公法」を取り出して見せるのだった。
 
 この数年、ワシャはこの若侍と似たような経験をしている。
お蔭で「読書」に勤しみ、「文章」を書き、「ウィキノミクス」や「セカンドライフ」を知るために東奔西走している。灰神楽がたつようなあわただしい日々なのだが、それ以前の漫然とした時代より、その充実度が各段に違う。

 今朝は午前3時半に起きた。『竜馬がゆく』のエピソードと、最近の自分の状況を重ね合わせて、長文を書きたかったからだ。でもね、冒頭のエピソードを『竜馬がゆく』全8巻から探し出すのにおもいきり時間を費やしてしまったのじゃ。途中で書庫の床に倒れてこんで気を失ってもいたので、中途半端な短文になってしもうたわい。(笑)