運不運

 家康の麾下に、本多忠勝という武将がいる。徳川四天王にも数えられる猛将で、生涯に57回の合戦に参戦し、無敗を誇っている。そして忠勝の凄いところは、常に矢玉飛び交う戦場の最前線に身をおきながら、生涯、かすり傷一つ負わなかった。矢や鉄砲の玉が、忠勝を避けたと言われている。

 長久手立てこもり事件で亡くなられた林警部の警察葬が、昨日、春日井市の警察学校で行なわれ、神田知事や県警本部長らが参列した。前述した本多忠勝に比べると、林警部は運のない人だった。たった1発の弾が、それも防弾チョッキの隙間を抜け、急所を貫通し、致命傷となった。
 警部のご冥福を祈るとともに、犯罪の最前線で戦う特殊急襲部隊サット隊員の強運を祈りたい。

 ちなみに本多忠勝の墓は、三重県桑名市浄土寺にある。忠勝の強運にあやかりたい人は、ここにお参りするのも手かもしれない。