五月晴(読書会外伝)

 23日朝、新幹線で上京する。品川に10時49分着、山手線で新大久保まで21分だから、戸山サンライズでの打ち合わせ(正午)には余裕で間に合う。そう計算していた。
 新大久保駅頭に立ったのは11時20分である。ここで真っ直ぐに読書会会場に向かえばよかった。
「確か、駅の西にブックオフがあったよな、ちょいとのぞいていくべ」
 と思ったのが失敗だった。大久保通りを行けども行けどもブックオフなんてありゃしない。目白駅と間違えていた(アホ!)。
 Uターンしたのが、11時30分。本9、ファイル1、ノート3、予定表1、電子辞書1、付箋少々、下着類数点、替えのシャツ1、ライト1、笛1、ラジオ1、非常食少々、メガホン1の詰まったキャリーバッグがずしりと重い。
 再び、新大久保駅に通りかかったところで、自転車に乗った老人がワシャのキャリーバッグに接触してよろめいた。よたよたしているうちに座りこんでしまったので、見捨てるもならず、「おじいさん、大丈夫ですか?」と声をかける。おじいさん、フガフガと首肯しているが立ち上がらない。仕方がないので、おじいさんを抱き起こす。尻についた埃を払ってやると、「フガフガ」言いながら、西へ去って行った。おじいさんを見送って時間を確認すれば11時40分になろうとしているではないか。急がねば。
ワシャは大久保通りを駆け抜けるように東へ、戸山サンライズに向かう。しかし、ここにも誤算があった。道は大久保2丁目の交差点辺りから上り坂になっているんですな。
 おまけに、梅雨の合間の五月晴れで、ワシャの後頭部にお日様がカッと照りつけ、意識は朦朧としてくる。坂を上りきって国際医療センターの交差点に辿りついたときには、もうヘロヘロでしたぞ。
 それでもなんとか正午までに会場入りすることができたのでよかった。

 今回の教訓「急いでいるときには古本屋を探してはいけない」

(この項、まだまだ続きまっせ)