【「すか」とは、『日本俗語大事典』によれば「期待はずれ、あてがはずれること」、語源は、スカス(透)の語幹からきているという。透く、空くなど、何もないというような意味が源である。】
6月13日の朝日新聞1面に、白木妙子『地震と雲』(青雲社、1260円)の宣伝が掲載されていた。地震が趣味のワシャとしては「地震」というだけで「買い」なのだが、「地震」と「雲」とあると、少し躊躇する。
確かに、ある特定の形状をした「雲」ととらえて、「地震雲」と呼ぶ。例えば、棒状に長く伸びた雲をそう呼んでいる。だが、今まで地震雲で地震を予知した実績はなく、まぁ、地震学の中のロマン程度で捉えておくのがよかろう。そう思っていた。
数日前、知人が携帯電話で撮った写真を見せてくれた。雲が写っている。6月1日に静岡県西部で発生したマグニチュード4.2(掛川市で震度4)の地震直前に撮影した「地震雲」だという。う〜む、棒状だ。
「一度、地震雲についても専門家の意見を読んでおくか」
と思って、前述の『地震と雲』をネットで注文した。それが昨日届いて、早速、読んだのだが「すか」だった。全国の雲が286枚も載ってはいるが、それが地震の予知にどうつながるのか説明がなされていない。著者が「地震雲」としている雲は「巻雲」「巻積雲」「浪雲」「八重棚雲」「豊旗雲」「鯖雲」「羊雲」「鉤状雲」「毛状雲」などなど多種にわたっており、こんな雲を「地震雲」とするなら、それこそ日本全国で毎日地震が起きているということになる。
あ、そうか、日本は地震列島で、連日、列島のどこかしらで地震が発生している。だったらこれらの雲が出た日には地震が必ず起きているという説もあながち間違いではないってか。
あ〜あ、アホな本を買ってしもうたわい。やれやれ。