能登半島地震 その4

 東海道北陸道をわき目もふらず羽咋まで辿りついた着いた。
 ここからは能登の地図を見ながら読んでね。
http://www.notohantou.net/map/
羽咋市
 石川県西岸で能登半島の付け根にある羽咋は、震度5弱である。市内の中心部を歩いてみたが、目だった被害は出ていない。震度5では外観的に被害が現れるということはないようだ。また、中層のビルもいくつかあったが、損傷はなさそうである。一時期、耐震偽装が大問題となって蜂の巣をつついたような大騒ぎになったが、羽咋をはじめとして能登全域でマンションなどの損壊情報を寡聞にして聞かない。
 知り合いの建築士がこんなことを言っていた。
「元々建築基準法上、構造計算はかなりシビアに設定されている。だから姉歯が鉄筋を多少減らしても震度5での倒壊はないだろう」
 確かに能登には姉歯ヒューザーの小嶋はいないんだろうが、ともかく老朽ビルも含めて倒れた鉄筋コンクリート造はなかった。
 何人かの住民に聞き取り調査をした。震度5でも揺れは大きかったようで、「今まで経験したことにない地震だった」と口々に言うのだが、被害は?と尋ねると、「仏壇の扉が開いた程度」という話である。橋梁と道路のつなぎも異常は見られない。地震が原因と思われる道路の亀裂も見つけられなかった。鉄筋どころか木造の老朽住宅でも倒れていない。半壊2、一部損壊42と言うことになっているが、中心市街地ではなく北の震源地に近い方での被害だろう。

 話題は地震から少し離れる。実は能登行きが急に決まったので必要なモノを準備する時間がなかった。例えば地図である。今回の調査に石川県全図は必需品だ。「まぁ羽咋市についてから買えばいいや」くらいに思ってここまで来たのだが甘かったわい。駅前でご通行中のおばさんに「書店はありませんか?」と尋ねたら、「駅前通りに1軒あったはずだ」と教えてくれた。そこで駅前通りを右往左往するのだが書店はなかった。またご通行中のおばさんに話をうかがうと「つぶれました」とのこと。「どこかに書店はないですか」と尋ねると「この先の大通りを左に曲がって少し行くとゲームなどを一緒に扱っている本屋がある」とおっしゃる。
 ワシャらはお礼もそこそこに、その大通りの書店に急いだのであった。本屋はすぐにわかった。「本・ゲーム」と書かれた看板がでかでかと掲出されていたのだ。でもね、ここもつぶれていた。大丈夫か?羽咋市羽咋市の皆さんは本が読めないじゃないか。(つづく)