怒涛の越中行(続き)その1

 それにしても名古屋から砺波は遠い。「特急しらさぎ」と「城端線」を乗り継ぎ、何やかやで5時間ほどかかった。
しらさぎ」では、初老の男が隣だった。そのオッサン、名古屋を出るなり驀睡モードに入って、鼾のうるさいことといったらありゃしない。米原を過ぎたあたりからは鼾に目覚し時計のアラーム音が小さくしのびこんできた。列車の騒音と鼾にかき消されて注意しなければ分からないが、でも、「ピピピ ピピピ ピピピ……」と続く単調な音は神経質な人間には耳障りになる。何人かの乗客が音に反応しはじめた。
(下に続きます)