死(続き)

(上から読んでね)
《人間の身体の七〇パーセントは水です。その九九・九九パーセントは去年と今では入れ替わっています。(中略)これが自動車なら部品を九割も取り替えていたら別の車だといってもいいかもしれません。》養老孟司死の壁』(新潮新書
《自分は具体的、個別的な時の中に生きる一回限りの自分であるけれども、同じにその自分は永遠なる法(※迷いの境地に相対する永久絶対の真理)のあらわれであって、時間・空間を超えたいのちそのものである。》中野孝次道元断章』(岩波書店
《魂にとって水となることは死、また水にとって土になることは死、しかし土から水が生まれ、水から魂が生まれる。》『初期ギリシア哲学者断片集』(岩波書店

 わーん、何だか解らなくなってきた。
 でもね、「死」というのはどうやら消滅ではなさそうだ、ということは理解できた。映画「男たちの大和」のラストに、大和と共に逝けなかった内田二等兵曹の遺骨を、大和の沈む海域に散骨するシーンがあったが、あれは正しい行動だった。内田兵曹が共にありたかった仲間の遺骨は海底あり、そこから分離した原子はこの辺りを海流となって、風となって遊んでいるだろうから。
 今、この文章を『千の風になって』のCDをききながら書いている。

 千の風になって あの大きな空を 吹きわたっています……