またまた人間ドック

【上部消化管X線検査】
 最近のバリウムずいぶんと改良された。量自体も少なくなったし、バリウムの中に下剤が混ぜてあって翌日の便通も極めて快調なのだ。でもね、ちょいと昔は大変だった。
 まずバリウムの量が多かった。検査の途中でゲップでもしてごらんなさいよ。お代りまででたんだから。それで下剤は最後の受け付けでくれるんだけど、そんなものは飲むのを忘れてしまって、その日の夜に宴会でもあった日には、翌朝のトイレは大騒ぎになってしまうのじゃ。
 これは聞いた話であることを断わっておく。
 知人の尾尻くんは検査当夜にしこたま飲んで、翌日、自宅の便器に坐ったのだが、いつもならカイベ〜ンとすっきり終わるのが、ウンともスンともいわない。おかしい、フン詰まってしまったようだ。最初は割り箸で……うううっ、これ以上は尾尻くんの名誉のために言えません。ただバリウムが固まってしまって病院に担ぎ込まれたという話もあるくらいだから、お酒などは控えたほうがいいようですね。

【腹部超音波検査】
 ワシャの会社が検診センターと提携しているので、検診に行くと何人かの知人にあう。
 たまたま超音波検査室の前のボックスに受診表を入れてソファーに腰掛けていると、知人の色川くんがボックスの前でうろうろしている。なんだか面白そうなので観察をしていると、ボックスに入れるのを躊躇しているようなのだ。ボックスを覗いてなにかを確認し、指を折って勘定している。ワシャはピーンときたね。この検診センターには2つの超音波検査室があって、それを2人の検査技師が担当している。男の人と女の人だ。色川くんは女の人に順番が回ってくるように入れたいらしい。確かに女性の技師はなかなか器量よしだ。色川くん、お目が高い。ワシャは先に済んだので、隣の問診のソファーに坐って色川くんを見ていた。色川くん、数え間違えたんだろうか女性ではなく男性の技師に名前を呼ばれてしまった。嗚呼、人生は思い通りになりまへんな、哀れ色川くんは……と思いきや、色川くん、ポッと頬を染めているではないか。そっちの方かい!

 ご迷惑でしょうが、人間ドックネタはまだまだ続きそうです。