極東の情勢を聴く その1

 ワシャは「朝まで生テレビ!」のファンだ。だから「朝生」常連の森本敏氏が参加する講演会があったので名古屋に出かけた。愛知県が国民保護計画の啓発の一貫として中区ホールで開催するものである。お題は「日本の国民保護法制と危機管理」という仰々しい。前半は愛知県の取り組みや消防庁の官僚の話だったので聴く必要はないと判断した。だから丸善で本の中に身を置いて、書林浴でヒーリングをしていたのじゃ。講演会は午後1時30分からだったが、ワシャが入場したのは2時半を回っていた。ちょうど消防庁のお役人の話が終盤を迎える頃だった。
 ホールには、どうだろう、150人くらいの聴衆が入っていただろうか。ううむ、国民保護法制というのも今一つ盛り上がりに欠けておるのう。そして聴衆ははっきりと3種類に分かれていた。第1は休日にも関わらずネクタイを締めている役人だ。これは愛知県から動員された地方自治体の職員たちだろう。ごくろうさん。第2は50代から60代の普段着姿のオジさんオバさん集団である。この人たちはどういう集団なのだろうか。第3はワシャのような「朝生」ファンの暇人だ……が、見渡してもそんなヤツはワシャ独りのようじゃ(サミシー!)
 さて、その第2グループのオジさんオバさんである。質疑の時間になると、俄然元気になって、その集団の人ばかりから手が挙がった。
 まずは60歳くらいのオバさんがマイクを握って甲高い声でまくし立てた。
「愛知県はおかしな国民保護計画を作ったと思いますが、これは政府の命令に基づいて作ったのですか?」
 はあ?
「核攻撃があった場合に、身を守る方法としてカッパなどを着こんで皮膚の露出を極力抑えるということですが、そんなことで核爆弾から身を守れるんですか?」
 はあ?はあ?
「こんな計画を作っても核攻撃を受ければどうしようもないと思います。みんな死んじゃいます。だからこんな戦争の引き金になるような法律は作ることは憲法違反だと思います」
 典型的なサヨクだった。
(下に続きます)