本屋に行く

 文藝春秋の10月号を買おうと思ってふらりと書店に行く。ぱらぱらっとページを繰って、日垣さんのコーナー「新書一点賭け」を確認する。ふ〜ん、今月は友野典男行動経済学』(光文社新書)か。「同級生交換」のコーナーは周富徳ムッシュかまやつ、そして『信長の棺』の作家、加藤廣さんだった。

 久しぶり(3日ぶり)に本屋へ来たので気になっていたことを調べておこうと、宗教関係の本棚に向かう。
「どうして禅宗の坊さんの名前は『太原崇孚(たいげんすうふ)』とか『白隠慧鶴(はくいんえかく)』とか『沢庵宗彭(たくあんそうほう)』とかこむずかしい名前が多いんだけど、何を根拠にしてこんな名前を付けるのだろうか」
 ということが気になって3日ほど寝られなかったくらいだ。
 早速、本棚に中野東禅『曹洞宗の常識』(朱鷺書房)という本があったので手に取ってみる。ううむ、禅僧の名前の付け方は書いてなかった。でも読んでいたら面白い。なんと戦国期に三河の足助から鈴木正三(すずきしょうざん)という名僧が出ているということが書かれてある。知らなかった。取り敢えず我家の宗派も曹洞宗なので買っておくとするか。
 その他に何冊か宗教関連の本を確認したが、禅僧の名前の付け方は載っていない。この1冊を確認して解らなければ諦めようと、『図解雑学 道元』の目次をつらつらっと眺めた。
《僧名「道元」の意味―――P50》とあった。名付けの根拠が書かれている。この本も買いだ。それに何の気なしに手に取った『禅の言葉』(永岡書店)が手から離れない。仕方がないのでこれも買うことにした。

 レジに向かう途中に新書コーナーがあった。素通りをしようと思ったんだが、いけない……日垣さんお薦めの『行動経済学』が視野に入っちまった。買うしかない。そしてその横にハウトゥものの新書が置いてあって、そのあとがきが前述の加藤廣さんだった。題名は恥ずかしくて書けないが、若桜木虔(わかさきけん)の新書である。これも買ってしもうた。
 そのまた関連で、レジの横に置いてあった奈良裕明『長編小説のかたち』(雷鳥社)も買ったのだった。めでたしめでたし。

 違〜う!文藝春秋だけ買うつもりだったのに……