信用できない男

 ちょうど1年前のことだ。自民党郵政族議員らでつくっている郵政事業懇話会が自民党本部で総会を開いた。その時の写真が中日新聞に掲載されている。
 綿貫さんがマイクを手に何か演説こいていらっしゃる。落選した小林興起さんも自民党から追い出された亀井静香さんも写っていた。
 そして亀井さんの横にはちゃっかり古賀誠さんがそっくり返って並んでいる。そうなんだよね。この人、小泉さんの郵政民営化に断固反対していたはずなのに、平成17年7月6日の衆院本会議では「反対」じゃなくて「欠席」をするんですな。あの耐震偽装の姉葉建築士追求でバカを晒した渡辺具能先生と一緒にね。で、日和見をして、反小泉は分が悪いと読む。そう決めたらこの手の政治屋は動きが速い。さっさと小泉さんに尻尾をふって9.11を生き残ったんですな。この辺りの身の処しかたは「巧い」の一言に尽きる。
 それで少しは大人しくしているのかと思えば、最近は、小泉・安部ラインに対抗するために「宏池会」(旧宮沢派)を結集しようと策動しておられる。昨日の朝日新聞に『大宏池会 領袖クラス4人が会合』という記事で古賀さん、またちゃっかり登場していた。好きなんだね、こういった政争が……
(因みに「宏池会」というのは、吉田茂池田勇人を源流に持つ自民党保守本流で、大平正芳鈴木善幸宮沢喜一などの首相を輩出した大派閥である。でもその後継である加藤紘一が「加藤の乱」で恥を晒して分裂して今に至っている。)
 でもね、政治家ならどこか毅然としたところがないと臭みばかりが鼻についてしかたがない。あっちへ着き、こっちを離れ、顔色を見ながらこそこそと動き回って生き残るためには手段を選ばないという姿勢はあんまり恰好よくない。
 戦国末期にあちこちの大名を渡り歩き、信長を頼ったかと思えば陰で反信長同盟を糾合しようとして、結局、信長に追放されてしまった蝙蝠将軍足利義昭のようではないか。まぁ元々「宏池会」は公家集団と揶揄された派閥だからそういったDNAを受け継いでいるのかもしれないけどね。
 それにしても、郵政民営化を断固批判し野に下った平沼赳夫さんの方が恰好いい。古賀さんも策士ぶっていないでもっと毅然と生きたほうがいいと思う。もう65にもなるんだから……

 今日は大坂へ出張するので3時から起きて ↑ を書いてました。だからちょこっと眠たいけど、そろそろ支度しないと新幹線に遅れちゃうのであった。このところ、極端に睡眠時間が少なくなってきたわい。やれやれ。