パチンコ屋という賭場

 松本清張がパチンコをこよなく愛していたという記事をどこかで読んだ。小津安二郎の映画の中にもパチンコをするサラリーマンの姿が出てきてほほ笑ましい。だからワシャはパチンコという賭博に関しては寛大だった。
 それが金曜日に名駅のパチンコ屋で狂気のような騒音にノックアウトされ、中でギャンブルに興じる亡国の徒を目の当たりにして考えを変えた。
 暴言コラムニストの江草さん
http://www.enpitu.ne.jp/usr4/bin/day?id=41506&pg=20060512
は、過激だ。
 給食費を踏み倒すクソ親に「自分のガキの食い扶持くらい稼げよ」と言っており、「そういう親の趣味はたいていパチンコである」「パチンコにはまるのは昔から馬鹿な貧乏人と決まっている」
と、言いきっている。お見事。
 刑法185条に「偶然の勝負に関して財物を賭け、ばくちをしたものは罪になる」と書いてある。だから日本にはカジノがないし(カジノがないのは日本と北朝鮮キューバだけなんだそうだ)、私設のカジノが発覚すれば逮捕される。賭けマージャンで逮捕された芸能人もいたよね。
 にも関らず、「パチンコ」という博打場は野放しだ。日本全国津々浦々には巨大な賭場が警察公認で開帳し日々バカを集めて賭博をやっている。刑法に抵触するはずなのに、「パチンコ玉と交換にもらう変な景品を持って博打場から外に出て屋外にある小さな小屋の小窓からそれを突っ込むと金を渡してくれるシステム」がパチンコを博打ではなくしているのだ。店内でバカが血道をあげて賭博しているのは、金じゃないから罪にならないって、これはあきらかに法律の曲解だよね。
 お蔭で常習賭博者は増え、パチンコ屋は儲かりサラ金は繁盛する。パチンコ狂いの親の元で、子どもは飯も食わされず、給食費ももらえず、挙句の果ては車中で炙り殺しの刑に処せられる。こんな状況でいいのだろうか。
 射幸心ばかりを肥大化させ、労せず金を得ようとするバカがどんどん増殖している。こんな国情で大丈夫なんだろうか。
 古きよきパチンコしか知らなかったワシャは甘かった。ワシャの知らぬ間に日本は賭博大国になっており、そのために日本人の炉心が溶解してしまった。格差社会といわれるが、金持ちと貧乏人という二極化もあるが、普通の人々とクズという二極化もある。
 現在のパチンコという賭博は間違いなく害悪と言っていい。