警察怠慢の一因

 秋田小1殺害事件の報道を聞いていて、ふっと思ったことがある。
 4月上旬に秋田県藤里町に住む9歳の女児が水死した。能代警察署は事故ということで処理をしているのだが、わずか1ヶ月で、同じ地域の子どもが鬼畜に命を奪われ、そのことで能代署の足下に火がついた。
「女児の水死は本当に事故だったのか」
 当然、そういった疑問は出てくるわなぁ。女児は川に転落してから6キロを流されている。その間に堰が二つもある。落差のあるどんどん(三河では堰のことをこういう)を二つも越えて、無傷っていうのも解せないよね。
 警察は女児の母親に言ったそうである。
「事件より事故のがいいじゃん」
 多分に4月に起きた女児水死事件は警察のことなかれ主義が垣間見えるぞよ。

 これは以前から思っていたことだ。
 地域では警察署や消防署という機関が住民の安心安全を守っている(ことになっている)。愛知県では14,000人ほどの警察官がいて、46署あるから、大雑把だが一警察署当たり300人程度の職員を抱えているということなる。また消防署では衣浦東部だけだが400人程度の消防士がいて、5市だから単純計算すれば一署当たり80人程度ということになるが、刈谷安城は規模が大きいので100人を越す隊員を抱えているだろう。でもどっちにしても100〜300といったところだよね。
 ところがこの規模の署になると(というか小さな規模のところでも)署長には専用の個室がある。県警にしても消防にしても、署というのは現場指揮所の拡大版でしかない。軍隊で言えば「中隊」の規模である。署長は実質「中隊長」なのだが、個室を与えられると、自分は「山本五十六司令長官」だと思いこんでしまうんだろうね(笑)。
 中隊規模の組織の場合、その隊長(署長)が部隊の先頭にいなければ組織は円滑に機能しない。司令官が個室に入って戦略を練る必要があるのは組織が師団クラスになってからだ。賢明なリーダーはあえて個室を嫌い署員と同じフロアに出てくるものなのだが、凡人のリーダーはそういうわけにはいかない。恋焦がれていた「個室」なのだから、収まりたくってしかたがない。
 例えば能代署にしてもそうだったろう。署長が他の警察官と同じ部屋で執務してごらんなさいよ。そりゃぁ署員の意気込みも違ってくるから。
 ワシャは警察などの改革は、まず署長室などという無意味な個室をなくすことから始まると思っている。