現代妖怪大全(3)

 ほら出た〜!今朝の朝日新聞1面だ。
 行方不明になっていた小学生が、昨日の午後、遺体となって隣町の川岸で発見された。先月にも近くの川岸で9歳の女児が遺体で見つかっている。この一連の事件など絶対に妖怪の仕業にきまっているよね。出雲地方に「子取りぞ」という子どもを奪っては脂を搾り、その脂で南京皿を焼くという性質の悪い妖怪がいるが、この系統の悪種が近年さらに性悪に成長したものなのだ。
 大阪の池田小学校に出た「濁魔(だくま)」、埼玉の連続幼女誘拐事件の「魑・魅夜叉鬼(ち・みやしゃき)」、奈良女児誘拐殺人事件の「古婆夜叉(こばやしゃ)」なども同族である。こんな悪妖怪は完璧に封印しておかないと、子どもたちはおちおち外を歩けませんぞ。でも最近は家の中にも人食い鬼がいたりするから油断できないけどね。

 社会面には骨抜き妖怪の「怖魔(おじま)」のことが載っている。この妖怪、建設中のビルに現われては鉄骨・鉄筋を抜いていくというから始末におえない妖怪だ。同族に「ツルピカ雨婆(あめばば)」とか「木村の腱切(けんきり)」がいるが、この骨抜き妖怪一族の親玉「家壊し(うちこわし)」はまだ封印されていない。家壊しが口をすぼめて「ヒュゥゥゥゥザァァァァ」と息を吹きかけるとビルが壊れていくそうな……恐や恐や。
※文献によれば、家壊しの「こ」は「か」に極めて近い発音だそうです。