チェルノブイリから20年

 そうか、もう20年も経過しているんだな。
 旧ソ連ウクライナの首都キエフの北にあるチェルノブイリ原子力発電所で第4原子炉が爆発した。世界が事故の存在を知るのは、グラスノスチ(情報公開)の進むソ連の発表によって、ではなくスウェーデン原発技師が大気中の放射能レベルが異常に高いことに気づいたことによる。ソ連の官僚組織はゴルバチョフ書記長にもこの情報を隠していたそうだ。思いきりバカな連中だった。
 もちろんチェルノブイリ原発周辺の住民になぞ、なんにも知らされるわけがない。知っていたのは当時のウクライナ共和国共産党の幹部だけで、奴らは真剣にウクライナ市民350万人の疎開を検討していた。なにせチェルノブイリからキエフまで直線で100キロ程度しかないのである。風向きによっては上空に吹き上がった放射性物質が直撃する可能性があったのだ。
 キエフにとって運がよかったのは、この時期の風が東から西に吹いていたために最悪のシナリオは回避することができた。でなければ、キエフ市は廃墟になっていた可能性が高い。
 さて、ワシャの故郷、西三河のことじゃ。東を見れば、ちょうど100キロのところに浜岡原子力発電所があるではないか。チェルノブイリキエフ間の距離とまったく同じだ。北西を眺めれば若狭湾岸に原発銀座があるんですな。なんと名古屋から敦賀原子力発電所までの距離が計ったように100キロなのである。これもぴったりじゃぁぁぁ。西高東低の冬型の典型的な気圧配置の日に、敦賀原発で事故があったと考えてごらんないさよ。強き北西の風にあおられて放射性物質はどこを直撃するか?伊吹を超えて濃尾平野を直撃すること請け合いである。
 それにしても電力会社の上層部というか、配置計画を立てた連中はバカばっかりだね。懸念されている東海地震の巣のど真ん中に原発を立て、武力攻撃事態のもっとも危険性の高い若狭湾岸に建設したりしているんだから。先見の明などというものはまったく感じられない。
 連続婦女暴行魔の目の前に裸の美女が地雷を枕に寝そべっているようなものじゃないか。こりゃぁ危険でっせ。