名鉄イン刈谷

 昨日、所用で刈谷に行ったので、耐震強度偽装で取り壊しが始まった「名鉄イン刈谷」を覗いてきた。このホテル、総合経営研究所(総研)が開業指導、姉歯秀次建築士が構造計算、施工が木村建設という、トリプル厄満のような建物だ。
 取り壊し工事は、建物の南東の一角が除去され壁、床の鉄筋がよく見えるようになっていた。ワシャは今まで大型スーパーと総合病院の取り壊しに関ってきたのだが、それらの状況と比べてもいかにも脆弱な構造体と見た。まず、床や壁に剥き出しになっている鉄筋が細い。針金と言ってもいいほどの太さしかない。かつて安城で取り壊した3階建てのスーパー(昭和40年代の建築)でも太い鉄筋がわんさか入っていた。また、床のコンクリートが薄い。重いものを乗せるわけではないので、薄くてもいいのかもしれないけど、ウエハースほどの厚味しかないような印象でしたぞ。
 壁のクロスがまだ新しく午後の日差しに輝いているのが悲しいねぇ。まっさらなホテルがたちまち産業廃棄物に変貌する現場ですわなぁ。こんなのを見せられると内河所長ってのは本当に悪い奴というのが理解できる。
 なんだか国会のほうでは、永田バカのおかげですっかり「耐震強度偽装問題」は幕を引かれた格好だけど、まだまだ現場では生々しい現実だってことを国会のセンセたちはご存知なのだろうか。永田バカなどさっさと辞めさせてさ、現実の議論に戻してほしいものだ。