同窓会入会式

 午前中、地元の中学校へ出かける。ワシャはその中学校の同窓会役員を拝命しているので、年に何度かは学校へ呼ばれるのだ。今日は新卒業生の同窓会入会式で、底冷えのする体育館で30分ほどのセレモニーが開催され、それに出席した。
 ここ何年か同窓会入会式で卒業生に対面していたが、今年は今までの年と随分と違った印象を受けた。それはいつになく生徒全体が粛然と式に臨んでいるのである。例年も静かは静かなんだが、どこかだらしのない雰囲気があった。それが今年に限ってなかったのである。
 このことを校長に確認すると、「わかりましたか」と言う。
「実は今年、生徒の並び方を変えてみたんですよ」
 校長の話はこういうことだった。去年までは前から1組、2組、3組……と並べていたのだが、今年は右から1組、2組、3組……と整列させたそうだ。このため学級委員が最前列の位置についたためにクラス全体の統率がよく取れたのだそうだ。また姿勢のいい優秀な生徒が最前列に並んだために見た目もよくなったのではないか、ということだった。
 なるほどリーダーを前に出すだけで集団というものは随分変わるものだな。勉強になった。
 役員の一人が言った。
「今年の3年生は大人しいんですよね。それに比べて2年生が悪い」
「2年生も大半の子どもはいい子です。ごく一部に元気のいい子がいるだけです」
 校長は優しく答えた。たまたまこの元気のいい子どもを見たのだが、体格といい面構えといい中学生のそれではなかった。取っ組み合いになったら相撲とプロレスとボクシングのファン(ファンかよ!)であるワシャでも負けそうな「子ども」ですぞ。中学時代に優等生だった先生方では、こんなミニヤクザみたいなのが相手ではなかなか大変だ。ご苦労様と言いたい。
 いろいろな問題があるけれども、学校の先生にはもう少し権威を持たせてもいいと思うなぁ。