官から民へ?(2)

(上から読んでね)
 何が言いたいかというと、どこぞの首相が「官から民へ」と一つ覚えのお題目を唱えているけれども、「官」の仕事を受けようという「民」は必ずしも万全ではない。郵便局だって採算性を重視すれば「いらっはいまっせー」の店員と同様に機械的な対応しか望めなくなる。多少、無愛想でも書籍のことを知り尽くした「司書」の存在のほうがどれほど頼もしいだろうか。
 そうそうこんな見苦しい話もあったよね。従来は県や市が受け付けていた「建築確認申請書」を民間でも受け付けることができるようになった。これなんかも首相の言う「官から民へ」なんだけど、千葉県の建築事務所の耐震計算偽造で民間検査機関の杜撰さがばれてしまった。お役所は手間が掛かる、面倒くさい、ということも確かにあるが、民間はかなり杜撰ですぞ。偽造した事務所もひどいがいい加減な審査をした検査機関の社長もものが悪い。「大臣認定書はなかったけど、省略してもいいと思った。」って、思いだけで仕事をするなってぇの。
 愛知県では防災を標榜する民間会社が、老人をターゲットにして杜撰な工事を施し多額の金を騙し取っている。これも首相の言う「民」である。「官から民へ」という言葉は口当たりはいいが、必ずしもばら色ばかりではないような気がするんですけど・・・