パキスタン大地震

 また大災害が起きた。大地震パキスタン北部を襲い2000人を超す犠牲者がでる状況になっている。地震の規模はM7.6というから阪神淡路大震災よりも0.3ほど大きい。この南アジア地区では平成13年にインド西部で、平成15年にイラン南東部で大きな地震が起きており、合わせて6万3000人が犠牲になっている。
 実のところこの西インドからパキスタンの一帯は日本列島に匹敵する地震の危険地帯である。ユーラシアプレート、インドプレート、アラビアプレートが複雑に重なり合い地震エネルギーが蓄積されやすい場所なのだ。
 テレビではイスラマバードで倒壊した高層アパートの映像を流しているが、その他の地域でも災害被害は甚大なものになっているだろう。一刻も早い救出をしなければ助かる命も助からない。阪神淡路では「黄金の72時間」という言葉があった。要するに救命・救助による生存者がこの時間を経過すると急速に減少してくるというのである。阪神淡路では1日目に瓦礫の下から救い出した人の80%が生存していた。救出された全生存者の96%が3日間に集中している。4日目を越すと生存はほぼ絶望的となる。
 学校が崩壊したという情報もある。パキスタン政府はもとより他国も軍隊を大量に投入して瓦礫の下から生存者を救い出さなければならない。時間はないんだ。躊躇している場合ではない。災害現場でもっとも役に立つ軍隊を被災地に急行させろ。
 あああ、また阪神淡路大震災を思い出してしまった。あの時、総理が社会党の村山でなければどれだけ多くの人が助かったことだろう。この凡人、1月20日衆議院本会議に出席し、地震対策の緊急質疑の中で初動対策の遅れを指摘され、「何しろ、初めてのことで・・・」と言い訳をした。この答弁に満場失笑をかった。嗚呼、已んぬる哉。
 愛知博の弁当持ちこみと一緒にしてはいけないが、トップが迅速に判断すれば自衛隊はもっと早く神戸救援に出動していたはずだ。パキスタンムシャラフ大統領は村山首相に比べればはるかにレベルの高い政治家なので大丈夫だとは思うが、今はなにより急げ、人命救助が喫緊の課題だ。