リフォーム被害 集団提訴その2

 かつてワシャの実家にもカワウソが現れたことがある。

ピンポ〜ン
 チャイムの音にワシャ母は玄関戸を開ける。そこには40がらみの作業服の男が立っていた。男は、「北朝鮮の踊る少年」のような笑顔を湛えている。
男「屋根を直さないと大変なことになりますよ」
ワシャ母「やーねぇ」
男「今、近くで工事をしているので、格安で工事ができますよ」
ワシャ母「格安っていかほど?」
男「今なら出血大サービス、70万ほどで施行できます」
ワシャ母「え!70円はお安いわ」
男「いや、70万円ですよ、奥さん」
ワシャ母「安いわ、安いわ」
男「いや、70万だって」
 ワシャ母、「お父さん、お父さん」と連呼しながら奥へ引っ込む。
 しばらくして、ワシャ母、いかにも鬼瓦のようなワシャ父を伴って奥からやってくる。
 ワシャ父、男を睨みつけ
ワシャ父「おぬし、いかほどと申されたかな?」
男「(おそるおそる)70万・・・と」
ワシャ父「(憤怒の形相)なぬ?70億!むむむむ、いかにも法外なり、拙家を貧乏とあなどり戯れ言を申すか、ええい、許さぬ、そこに直れ、手打ちにしてくれる」
 ワシャ父、玄関床に据えてある日本刀(模造品)をむんずと掴むと大上段に構えた。
 カワウソくん、ワシャ父の暴挙に悲鳴をあげると尻尾を巻いて逃げていってしまった。
 このようにワシャ家の老人は元気がいいので被害に遭わなかったが、世の中、そううまくは廻らない。やはり詐欺集団や悪徳業者の方が一枚も二枚も上手なのだ。中には地方の政治家がつるんでいたりするから善良な皆さんは気を付けたほうがいい。