梔子(くちなし)

 昨日の雨で「紫陽花」は鮮やかさをとりもどした。よかった。「紫陽花」のことが一段落したらその隣の生垣に咲いている白い花が気になりだした。
 一昨日書いたように「紫陽花」は知っていたが、この白い花はなんという花なのか知らなかった。ただやさしい甘い香りが印象的でさっそく自宅に戻って調べてみて、「ヤエクチナシ」という花であることを知った。
 梔子、語源はこれもいろいろな説があるが、貝原益軒の表した語源解釈の「日本釈名(にほんしゃくみょう)」には「梔(くちなし)、木の実のから有りて其の内に子をつつむものは、熟して後、必ず口を開く。くり、しい、ざくろ、つばきなど皆しかり、此の物、から有りて熟しても口ひらかず、故に名づく」とある。
 学名を「ガーデニア・ジャスミノイデス・グランディフロラ」といい、純潔で美しい乙女にあやかって名づけられたという伝説もあるらしいが、花のことを大して知らぬワシャが偉そうに知ったかぶりをするのはおこがましいので止めておく。
 そうそう昭和49年のヒット曲で渡哲也の「くちなしの花」というのがあったね。別れた彼女の、「指輪が回っちゃうくらいやせ細っているらしい」という噂を聞いて、「くちなしの花のような女だったなぁ」と思い出しているという歌だった。この彼女、無口で清楚で可憐なひとだったんでしょうね。でも花言葉は「とてもうれしい」というもので、渡のイメージとは随分かけ離れていて、とてもうれしい。