花田家の確執 その2

 まず喪主は気持ちよく兄に譲るべきだった。「相撲では私(貴乃花)が後継者だから喪主も私が・・・」と言うが花田勝はすでに相撲界を離れている。つまり一社会人でしかない。つまり一般的な社会通念から言えば長男が喪主を務めるというのは至極当たり前のことなのだ。それをガキじゃあるまいしいつまでも膨れっ面をしているんじゃない。
 また通夜に親族が押しかけてくるのは当たり前である。それに二子山親方は超有名人なのだ。「兄弟二人っきりで見守ろうね」などというセンチメンタルなことはできるわけがない。
 そしてマスコミの前で母親や兄、あるいは叔父の先代若乃花の誹謗中傷をするんじゃない。「兄ちゃんが『クソ景子』って言った」発言は、この32歳の男が心底子どものままの人なんだなと再認識した。思いどおりにならないのは自分以外がすべて悪い、と責任転化する典型的な未成熟男だ。
 そう言えば名力士だった安芸乃島(現千田川親方)も貴闘力(現大嶽親方)も貴乃花とは袂を別ってしまった。これだけ周囲と軋轢を起こし、なおかつ何かに取り憑かれたような感情のこもらない目を見ていると、どうしても貴乃花に問題があるのではないか、と思ってしまう。
 少なくとも花田勝貴乃花は「若貴時代」というブームを築いた横綱同士ではないか。こういった下世話な骨肉の争いを見せつけられると、あの時代が色褪せてくる。どうか、相撲を愛するなら、つまらぬ身内喧嘩は止めにして後進の育成に全力を注いでくれ。
 「真の沈黙は金砂のようにその水の底に光っている」北原白秋の言葉である。