私には二人の子どもがいるが、長男は大学生、次男は高校生で、すでに子育ては終盤にさしかかっている。振り返ってみれば仕事のもっとも忙しい時期と、子どもの成長期がバッティングして(みんなそうだろうけど)、果たして充分な子育てができたかは、はなはだ疑問ではある。
ジャーナリストの日垣隆氏は、最初のお子さんが生まれてから「親はどこまで子どもの成長に関与しうるか?」という問題を考え続けている。氏は「子育て」について実に自覚的であり、「子育て」の成否は、「子どもが中学校を出るまでの子育ての最盛期において、この短い時期を、親がいかに責任をもって子を監督できるかどうかにかかっている」と、その著書「子どもが大事!」で書いておられる。
また、「ここ一年半ほど、暴発的な少年リンチ殺人事件を取材してあるいた僕は、責任と子育ての愉悦を放棄した親のもとでだけ、そのような加害者が出ていること(中略)を見てきました」、「『うちは自由放任主義』とか『反抗期は必要』とか『本人にまかせている』などと胸を張っている親に限って、親も子も自立していない」などと書かれており、目から鱗が落ちる思いがした。もっと早くこの本に出会っていれば自覚的な子育てができたのではないか、と少しだけ悔いている。
ただ無意識の子育てだったけれども、我が子には「反抗期」はなかったし、責任をもって監督してきたことだけは自負している。私の場合、ある意味で運がよかったわけだが、まだ子育て中で悪戦苦闘されている方には、是非、ご一読をお薦めしたい。
そうそう、日垣隆さんが名古屋で「子育て」をテーマに講演会を開くらしい。詳細はこちらをご覧あれ。
http://hello.to/hakugaku-hompo/