弱肉強食とはいうけれど

 この世では才能があって野望があってもなかなか出世できないことがある。一人では現状が打破できないのである。そんなとき、才能があって野望のある男は徒党を組む。仲間からエネルギーをもらい一団となって壁を突き破り、ついには花の東京へ打って出てくる。
 人気がそこそこ出てくると才能があって野望がある男は徒党を組んでいるがためにいろいろとやりたいことが制限されていることに気がつく。で、仲間の無能さが鼻につきだして、結果として無能な仲間を切り捨てるというわけだ。
 才能があって野望がある男は、身軽になるから大活躍をするようになり、反対に無能な仲間は、元々能がないから落ちぶれてゆく。当たり前といえば当たり前だが当事者としてみればなにか割りきれないものが残るのも仕方がないだろう。そりゃぁ暴露本を書いてさ、文句のひとつも言いたくなるってものだろう。
 チェッカーズのフミヤもシャ乱Qつんくも、本人は有り余るほどの才能をもった野心家で、だったら単独で芸能界を目指せばいいものを、若気の至りで無能な仲間を糾合し団体デビューをしたわけだ。高杢や鶴久はロケットの第1段にされたわけでフミヤが大気圏外に達すればそこで切り離されてあとは地上に墜落するのみである。
 高杢や鶴久こそいい面の皮だ。博多でフミヤにそそのかされ芸能界などというヤクザな世界に足を踏み入れなければ、平凡だが静かでまっとうな人生を送れたはずである。
 芸能界にはそんな例は山ほどあってツービートのキヨシもそうだし、最近ではDonDokoDonの平畠もそうだ。相方の山口はものまねもうまいし演技もできるマルチタレントで、だったら単独で出てくればいいものを非才な平畠を巻き込むから悲劇が生まれるのである。
 紳助竜助の竜助に至っては、悲劇を超えて喜劇になっている。新潮45によれば大阪市内の風俗無料案内所で時給2000円のアルバイトをしているという。相方の紳助の大成功との落差がありすぎて言葉も出ない。紳助は踏み台に対して何も思わないのだろうか。
 桑田佳祐という天才がいる。かれはサザンオールスターズを25年もの間リードし続けている。もちろんフミヤや紳助よりも立派だと思う。