生麦、生米、生玉子

(生麦)
 142年前の文久2年8月21日、江戸から薩摩にもどる途中の島津久光の行列の供先に、馬で遠乗りに出かけてきていたイギリス人が突っ込んでしまった。これは当時の国法では最大の非礼であり斬り捨てられて当然だった。
 当時の東海道は狭い。馬上の4人のイギリス人は日本の風習を軽視し、侍を香港あたりの中国人と同一視していたのだ。イギリス人は日本刀という世界でもっとも鋭利で殺傷能力の高い武器を腰に携えている「侍」を甘く考えていた。薩摩藩士で示現流の達人、奈良原喜左衛門が猿叫とともにイギリス人を斬りすてた。
 この事件はもちろんイギリス人の傲慢と無知から引き起こされたわけであるが、これを時機とみた英国は幕府や薩摩藩に無理難題を押しつけてくるのである。
 ここで一首、「外圧は 今も昔も 変わらない 昔イギリス 今は中国」
(生米)
 我が家では農家から玄米を購入し、それを五分搗きにして食べているのだが、あまりおいしくない。炊きあがったご飯も黄色味がかかっている。だから外食をして真っ白なご飯を見ると、その白さが不気味に見えてしまう。(でもうまい)
 最近、無洗米という商品が出てきて、これがけっこう人気らしい。最初にこの商品の存在を知った時には、「なんでもかんでも手を抜く怠け者の時代になったもんじゃ、米を研ぐ暇を惜しむとは、世も末じゃわい」と思ったものだった。
 しかし、聞いてみれば家庭から出る米の研ぎ汁をなくすことができ、水を節約することができ、それでいて楽なのである。ううむ、無洗米を少し見なおさなければいけないかも・・・
(生玉子)
 新鮮な生玉子を茶碗の縁で割って炊きたてのご飯にかけ、醤油をたらしてかき混ぜ、一気に掻き込む。うーむ、日本の朝食だなぁ。(鳥インフルエンザ以来、めっきりと減ったようだが・・・)
 前々から気になっていたのだが、玉子に混じっている白いひも状のもので、神経質な人が取り除くために悪戦苦闘しているものが「カラザ」という名前だということを最近知った。そして「カラザ」が黄身の位置を安定させるためについているということも最近知った。世の中には知らないことが多いなぁ、と玉子に実感させられた。