天災は忘れたころにやってくる、じゃぁ忘れない

 日本地震学会会長の大竹教授は次のように言っている。
地震は人間の手の及ばない自然現象です。現在の技術では地震の発生を止めることはできないし、それを的確に予知することもまだまだ困難です」
 東京大学地震研究所の安倍教授
「一般的には直前予知は困難なのです。すべての地震に前兆が伴うわけでもなく、伴ったとしても前兆の現れかたは地震のよってマチマチです。さらに、前兆現象とおぼしきものから地震がいつ起こるかを確実に判断する客観的な基準もまだ持ち合わせていません」
 北海道大学の島村教授
「米国と欧州では、地震予知を謳う研究はそのタイトルだけで研究費の審査で落ちる。つまり、地震予知は研究に値しない、というのが世界の科学者の常識となっているのである」
「これまで報告された前兆例は、地殻変動、小さな地震の活動の変化、電磁気現象、地震雲、発光現象、動植物の異常、地下水や地下ガスの異常、そのほかにも数多い。だが、ひとつの地震で出た前兆が、たとえ同じ場所に起きた地震でも、別の地震で出た例はほとんどない。(中略)つまり、報告された前兆現象に定量性がないだけでなくて、再現性も普遍性もほとんどなかった」
 名古屋大学災害対策室
気象庁では幾つかのシナリオを考えて、異常な変動を予測しようとしている。しかし、まだそれとて十分ではない。相手は巨大な破壊現象なので、いつまでも『あやふやさ』は付き物である」
「(地震判定会から)警戒宣言が出たからといって『数日以内に必ず巨大地震が発生する』とは限らず、空振りになる可能性の方が大きい」
 このように地震を事前に予知するというのは、甚だ心もとない。不可能だと言いきるのは語弊があるかもしれないが、それに近い状況ではある。と、するならやっぱり「自己責任」において災害対策を施しておくに越したことはない。災害に対してディフェンスラインを固めるのだ。そうすればいかな強敵といえども簡単には得点を許すものではない。
 24年前の今日、日本地震学会が設立された。