朝日新聞の変な「声」その1

3月11日の朝日新聞「声」欄。
「鳥の不審死に冷たい行政」
 愛知県のどこの人だかわからないが、「朝、庭で野鳥が死んでおり、行政機関に連絡したら、たらい回しされ、その上担当の対応が緊張感のかけらもなかった」と腹をたてて投書している。
 まず、「たらい回し」と、よく口走る人がいるが、見当違いの部署に連絡をいれれば、当然「そちらへ」と案内されるわなぁ。「緊張感がない」というが、半ばパニックになっている住民に「緊迫した状況」で対応すれば、かえって大騒ぎになるかもしれない。(すでに鳥インフルエンザ問題では騒ぎ過ぎの様相が見える)
「孫に歴史教え支援を自問す」
 小学生の孫に歴史を教えていて、戦時中を思い出し、戦争の悲惨さを実感し、イラク派遣の自衛隊が射撃訓練をする写真を見て、ぞっとしたのだという。
 ぞっとするなよ。彼らは、テロの危険があり生活環境も日本などと比べものにならないほど劣悪なイラク人道支援をしているのだ。「ああ、日々がんばっているんだなぁ」と、拝んだってバチはあたるまい。
「強制連行以外どんな言葉が」
 この人も戦時中に思いをはせる。勤労動員の通勤の一こまで、朝鮮半島の若者を多数見かけたという。かれらは「強制連行された。希望して日本にきたわけではない」と書いている。そうかもしれない。ただそれなら日本の若者は強制されて戦地に赴いたのではないのか、みんな喜んで戦地にいったとでも思っているのか。港湾で労働する外国人捕虜を見かけて、「戦争は正常なものではない」と言われる。そうだよ、戦争というのは国家間の異常な状態のことなんですよ。最後に「歴史を美化するな」と結論づけている。もちろんそうです。美化をしてはいけないし、小さな事柄をとらえて全体を判断するのも危険ですよ。
〈「朝日新聞の変な「声」その2」に続く〉