ゴミダメに現金

 平成14年秋に、札幌の西友で豚肉の偽装が発覚するという事件があった。このことで西友は、豚肉購入者に対し購入金額を返金すると発表した。そのとたん店舗前に妙な連中が集まりはじめ、販売額の50倍ほどの返金要求があったという。昼のニュースでも茶髪の若者や、チンピラ、暴走族といった風情のあんちゃんが西友に請求をすべく長蛇の列をつくっていた。レポーターが「いくらその肉を購入したのですか」と訊ねると、にいちゃんは「ざっと3万〜4万かな」とほざいた。請求に来たにしては、大雑把なことこの上なく、肉の購入費で1万円の差は大きい。このバカは買った金額を忘れちゃったのかな。常識的に考えて3万〜4万も一般人が豚肉を買うことがあるのかな。西友の担当者に「金を返せ」と罵声を浴びせ掛けている若造どもを見るにつけ、実に浅ましい光景だと思ったことを記憶している。
 この23日に、埼玉県草加市でゴミのなかから2800万円の現金が見つかったという話でも同様のバカが現れた。「私が落としました」と何人も名乗り出たのである。少なくとも落とし主は一人のはずで、そいつ以外は嘘をついているわけで、どの面をさげて「私でございます」と言っているのか。その浅ましさは札幌と同様で、バカは北にも東にもいるんだなぁとあらためて驚かされる。
 草加市騒動の場合、バカはまだいた。拾得者が市の指定のゴミ収集業者でなかったので、市が2800万円の所有権を主張したことから騒ぎは大きくなった。権利主張をした市もバカだが、それに対して抗議のメールや電話を360件以上もしたという暇人たちもバカだ(こんなことを書いている私もバカだけどね)。
今日も言おう。「右を向いても 左を見ても バカとアホウのからみ合い」by鶴田浩二