2005-10-22から1日間の記事一覧

「そんなぁ」事件簿(1)

文化3年(1806)10月22日にこんな事件があった。 江戸は浅草三好町の長屋に住まう辰五郎は腕のいい飾り職人だ。今日もついつい仕事に熱がはいっちまって、家路についたのは六ツ(午後6時ごろ)を過ぎていた。家では一緒になってまもない女房のおかねが夕餉の…

「そんなぁ」事件簿(2)

小太りのストーカー侍、ギラリと段平(だんびら)を抜き放つと、やにわに辰五郎へ斬りつけてきた。ところがどっこい辰五郎は敏捷だった。おかねを突き飛ばすと自分も脇に身をかわした。しかし、敵もさるもの引っかくもの、きびすを返すと二の太刀、三の太刀…