2005-05-09から1日間の記事一覧

走る家康 その1

徳川実紀にこうある。「(家康は)秀頼生害の後、ひそかに城中をご巡視ありて、ご帰京あらむとて。かヽる大戦の後は必ず大雨出るものなりとて。御道をいそがされる。」 家康は人生の最晩年、天下を磐石のものにするために大悪人となって、大坂城に住まう母子…

走る家康 その2

はたしてそうだろうか。むしろこう考えたほうが自然ではなかろうか。 家康は45歳で秀吉に臣従して、以来、この日の到来を待ちつづけていた。豊臣家という、一時にしろ家康の上に君臨した政権の残滓をすべて排除し、己の頭上に何者も妨げるもののない状態が…