古典芸能

 昨日、刈谷市狂言を楽しんだ。

 野村万作、萬斎、裕基の三代による「舟渡聟(ふなわたしむこ)」と「六地蔵」の二狂言。1500の大ホールが満席だった。すごいな、萬斎の人気は。

「舟渡聟」は、聟が琵琶湖を渡って嫁の実家の舅に挨拶にいく途中で、持参した酒を船頭に飲まれてしまうが、その船頭が舅だったという笑い話。

六地蔵」は、それこそドリフのドタバタコントを観ているような大騒ぎだった。6体の地蔵の仏像を購おうと、京までやってきた田舎者を詐欺師が騙そうとする。仲間の3人が仏像に化けるのだが、この3体を6体に見せなければならず、舞台を詐欺師と仲間が走り回る。このコントが室町時代に創作されたとは到底思えぬほどの大爆笑だった。

 間違いなく現代の笑い、落語、漫才、コント、喜劇などがルーツを狂言に持っていることは間違いない。

 狂言に先立ち、萬斎が曲目の解説とざっくりとした「狂言」そのものの解説をした。その中で「狂言は皆さんのイメージ力、何もないところに湖をイメージしたり、繁華な京の町をイメージする力がもっとも重要です」と言った。まさにこれが落語に引き継がれている。

 そして、その落語も引き合いに出して、「落語、能、狂言文楽、歌舞伎、新劇、宝塚、アングラまでこれほど多種多様な演劇が並立している国はありません。日本はすばらしい文化を持っていますね」と言う。

 仰るとおり!