粗略な扱い

 ワシャは「人を粗略に扱わない」ということを常に心がけている。年下の者に対しても、部下に対しても、ときには敵に対しても、このことは守って生きたい。
 こんなことがあった。他の会社の人たちとワシャの街で芸者遊びをした。ワシャとワシャのメンバーは徹底的にホスト役に徹し、3時間を満喫させて返した。お客さんは部長から新人に近い社員までいたけれど、笑顔で「楽しかった」と言ってくれた時はうれしかったねぇ。
 
 1995年6月の読売新聞だから22年前の記事である。「名画再読」というコーナーで、狩野芳崖の「伏龍羅漢図」が取り上げられてた。
 これがいい絵だ。
http://ameblo.jp/reishi1979/entry-10917145620.html
 当時、期すところがあったのだろう。新聞のその部分を切り取って、いまだにワシャのデスクマットの下に入れてある。すでに色あせて茶色くなってはいるが保存状態はいい。日記では5年ほど前に2度ほど取り上げた。
http://d.hatena.ne.jp/warusyawa/20120719/1342650923
http://d.hatena.ne.jp/warusyawa/20121111/1352597772
 それにしても「伏龍」も、「伏トンビ」くらいかもしれませんが、22年も雌伏していると寝過ぎでっせ。

 この絵のことである。狩野芳崖はこの絵を1885年に描いている。絵は1920年の展覧会を最後にその消息を絶つ。雌伏75年、1995年になって福井県の旧家から絵は忽然と現われた。保存状態もよく描かれた当時と比べても遜色はなかった。持ち主の方が粗略な扱いをしなかったお蔭と言えよう。付した龍は甦ったのである。甦ってすぐに新聞に取り上げられ、ワシャが眼にして、福井県立美術館に観に行った。その凄さに圧倒されたものである。