たった一人の探し物

 年末に書庫の整理整頓と掃除をした。やり始めてみると奥が深く、二日や三日でかたのつくものではなかった。結局、大晦日の夜にある程度のところで妥協をせざるをえなかった。まぁそれでも埃を拭き取ることくらいまではできたので、善しとしよう……とにかくそれで新年を迎えたんですね。
 さて、三が日も終わって、新たな年が始動開始をする。仕事関連の本や資料が必要になる。「あそこに置いてあったな」と記憶をたどってその棚を見るのだが、無い!
 あああ、中途半端に整理整頓を終えてしまったので、書類の山が3カ所にうず高く堆積したままだ。この中か(呆)。
 仕方がないので探しましたがな(泣)。作家の日垣隆さんには「30秒で目的のものに到達できるように整理整頓をしておく」と指導を受けていたのに(反省)。
 猛烈に探したのだけれど、結局、その堆積物の中からは発見できなかった。まるっきりリアルで『ミッケ!』
http://www.shogakukan.co.jp/mikke/
をやっているようなものである。
 4日に必要だった資料が出てきたのは今朝だった。何気なく机の横においてある「ゴルゴ13」の下を見ると、メモや新聞の切り抜きの下敷きになっていた。こんなところにあったのか。
♪〜休むことも許されず〜笑うことは止められて〜はいつくばってはいつくばって〜
いったいなにをさがしているのか〜探すのを止めた時〜見つかることもよくある話で〜踊りましょう〜夢の中へ〜行ってみたいと思いませんか〜♪

 なにが《少女像にらみ合う日韓》だ。朝日新聞の見出しである。
「お詫びに十億円よこすニダ。それで許してやるニダ」
 十億円で最終的・不可逆的に決着するならまあそれでもいいか……と日本政府は思った。しかし多くの常識ある日本国民は「そんなことで終わるわけはない」と予感していたはずだ。「今後、二度と蒸し返さない、一度変化させたものを過去に遡らせない」という合意はすぐに撤回される。「和解・癒やし財団」というたかり組織が「十億円だけでは済まないニダ。首相の詫び状ももってくるニダ」と言い出した。ほら見たことか。それでも日本政府は毅然としていてその要請を突っぱねた。そして釜山の日本領事館前に慰安婦像の設置である。どこが「最終的・不可逆的」なのか。
 韓国は百年も前から日本のことをにらんでいるから朝日新聞の言うとおりなのだろう。しかし、日本は千年も前から朝鮮半島のことなど念頭になく、大陸への通路くらいにしか考えていなかった。それが半島人にはまた腹立たしいことなのだろうが、それが歴史である。巨大な帝国に隣接してしまった小国の悲劇と言っていい。
 今回の件で、良識ある日本人の大半は「やれやれ」と思っているのである。にらみ合いなどという対等の感情など湧いてこない。悲しい眼差しで見下ろしているだけである。こうなれば親北朝鮮の政権ができる可能性が高くなってきた。だったらどうぞ連邦でもなんでもつくってもらって一緒になればいい。そして支那帝国の冊封体制に組み込まれることである。二千年もそんな生き方をしてきた。それが一番安定もするのだろう。
 独立不羈の気概が強い日本は、そんな三国志の時代から寸毫も進歩していない連中とは一線を画し、別の道を探せばいい。脱亜入欧でもいいし。