友人のツイッターで、「アンチエイジング」に小泉今日子さんが嫌悪を示しているということを知った。
《<アンチエイジング>「大嫌い」小泉今日子さんらに共感の輪》
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160927-00000033-mai-soci&utm_content=bufferdd5ec&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer
《小泉さんと言えば、アイドル時代の輝きが加齢とともに増すイメージで、2000年の化粧品コマーシャルのキャッチコピーは「さびない、ひと。」。アンチエイジングの女神にもなれそうな立場だが、表面的な「若さ信仰」にモノ申したのだ。》
《ずっとアイドルの仕事をしてきて、30代の半ばくらいから『かわいい』って言われる中に、『若い!』という声が入ってくるようになって。これ違くない?喜んじゃいけないんじゃない?って》
《実年齢より若く見えることを尊ぶ「美魔女」現象への批判にも小泉さんは同調し「これは抵抗しなきゃと。私は『中年の星』でいいんじゃないかと思ってます」と言い切った。》
 さすが小泉今日子である。NHKの朝ドラの「あまちゃん」で主人公の母を演じたけれども、そりゃぁみごとな中年女を演じていた。「小泉凄いな」と思ったものである。
 それは女の人だけのはなしではなくて、加齢をきちんと受け止めて、その年齢ごとの魅力を醸していくことが大切だろう。例えば、せっかく刻んだ男の皺を、整形手術で消してしまった森進一や堀内孝雄は少しも格好良くない。片山さつきも80年代でファッションもヘアスタイルも止まってしまっている。岩下志麻も年齢に向き合っていないので、なんだかプラスティックの仮面を見ているようで味気ない。もっと普通にしていれば魅力的だろうに(笑)、惜しいかな(惜しくないか)「アンチエイジング」という呪縛にかかってしまっている。
 実は、若さというものは格好が悪い。
 たとえば夕べもメ〜テレで「甦る歌謡曲!!懐かしの昭和スター名曲大全集」に若かりし頃の石原裕次郎や石原軍団のメンバーが登場していた。40代、50代の石原裕次郎は格好よかった。しかし30歳前後の渡哲也や舘ひろしは若さが生々しくて臭すぎる。はっきり言って格好悪い。もちろん年齢を重ねた現在の渡さんや舘さんは皺を刻んで格好いいですよ。お二人とも、前述の誰かさんのように、ヘンに年齢を隠さないところがしぶいと思う。
 50代のオードリー・ヘップバーンは年齢相応の皺をきざんで綺麗だったなぁ。倍賞千恵子さんも、寅さんの中で歳を重ねて、その年齢ごとの美しさを魅せてくれた。倍賞さんは今70歳を超えているけれども、相変わらずお美しい。知性というスパイスが加味されて眼差しなどは若い頃よりも素敵だ。