盂蘭盆会

 先週、盆の供養で旦那寺から若住職に来てもらった。ありがた〜いところをちょこちょこっとあげてもらって、あとは茶をすすりながらの雑談になった。

若住職「最近、葬式の形態が変わってきましてね。家族葬というんですか。ごく限られたお身内だけで、それこそちょこちょこっと済ませてしまう、というのが増えてきました」
ワシャ「ほう、坊主を呼ばないんですか」
若「そうなんです。坊主の出番なんてありゃしません」
ワシャ「最近、民間の葬儀場が増えていますよね」
若「あれなんかも冷暖房完備で、施設も使いやすいでしょ。だから苔むしたような寺の本堂や庫裏を使って葬儀をしようなんて方はいませんよ」
ワシャ「なるほど、お寺にはけっこう打撃なんですね」
若「それでも地元の葬儀屋の方とはうまくやっていますがね」
ワシャ「昔のように坊主丸儲けとはいかないご時世なんですね」
 若住職は「ヘヘヘ」と笑って五厘頭をつるりとなでた。

 今日ばかりは掻き込み時らしく、若住職はあわててヘルメットをかぶり、カブにまたがると風のように去っていった。チーン。