もう少し県議のこと

 コラムニストの勝谷誠彦さんのフェイスブックで、都議、県議のものの悪さに言及した「血気酒会」の映像がご覧いただける。ここです。
https://ja-jp.facebook.com/katsuyamasahiko
 東京都東村山市議の佐藤まさたかさん、愛知県大府市議の鷹羽登久子さんが参戦している。勝谷さんが有料メールで「地方議員などみんなモノが悪い」といったことに対して、佐藤さんが「地方議員を十把一絡げにしないでほしい。一所懸命に仕事をしている議員もいる」と異議を申し立てたのである。それで映像になっている「臨時血気酒会」の開催となった。勝谷さんをまじえた二人のまともな市会議員の議論はとてもおもしろい。高羽さんはお茶目だし(笑)。
 勝谷さん、昨日の有料メールでもこんなことを言われる。たとえが秀逸なので少し引きたい。
都道県議会議員というのは普段、私たちの視野から隠されている。政治家であればもっとアピールをすればいいと思うのだが、そうやって植木鉢の下のダンゴ虫のように息をひそめて「職業地方議員」としてカネをもらっていればいいという連中も多いのだ。》
 ううむ……「植木鉢の下のダンゴ虫」はなかなか拾えない言葉ですぞ。さすがだなぁ。

 東京のヤジ都議、兵庫の号泣県議、その上、今朝の新聞に愛知県のコピペ県議まで登場してしまいましたぞ。
 西区選出の半田県議が政務活動費を使って委託した海外調査の報告書が、ネット上にある農林水産省の報告書をコピペしたものだったとさ。
http://www.yomiuri.co.jp/national/20140703-OYT1T50016.html
 あああ、対岸の火事だと思っていたら、やっぱり愛知県でもあったんだね。全国の不出来議員という氷山の頭が見え始めた。
 佐藤さんがこんな事例を披露した。
「或る市の市議会議員が、市長に出ろと言われて、固辞したことがある。その人がいうのには、オレは都議がいいと、なぜかというと、市長などは、24時間、365日監視されるのでまっぴらごめんだ。都議会議員なら、どこにいるのかわからないじゃないか」
 激務の首長より、金だけもらってのんびりと過ごせる植木鉢の下のダンゴ虫がいいと、はからずも議員サイドが口にしてしまった。
 今回、間抜けな都議、県議が浮上してきたけれど、実はそれは都道府県議会の持つ病根の一部でしかない。勝谷さんのメールの最後に《あなたの足もともよく検証してみて下さい。》とあったので、ちょいと愛知県議会を覗ればこんなもんですぜ。
 最近の市町村の議員は、3〜5期も務めれば引退することが多い。その理由として、まず忙しいのだ。それに見識が求められるようになってきたし、労力も費やさなければならなくなってきた。もう名誉職ではないのである。だから3期もやれば腹いっぱいになってしまう。それに議論にしても高いディベート能力が求められ、気のいい百姓のオッサンや雑貨屋のオヤジではつとまらなくなっている。そんなこともあって最近では、いろんな意味での村代表は2〜3期で消えていく。
 しかしながら愛知県会議員には長〜いこと働いている御仁がいる。7期以上の議員が10人も(絶句)。最高期数の栄誉に輝いたのは、豊田の倉知議員(自民)で11期でござるぞ。今度の七夕で83歳になられる。第2位は名東区の筒井議員(自民)の10期、この人もいろんなところで名前を拝見する議員である。ご両所とも40年以上にわたって県政を壟断……いえいえ、おつとめになったえらい人なのだ。前述した佐藤さんの話ではないが、そもそも市長になろうなどという気はない。もちろん国会に打って出ようとかの向上心はない。とにかく「職業地方議員」としてダンゴ虫でいたいということなのだろう。
 中二階議員(都道府県議)は、このところのバカな同業者のおかげでアゲインストを感じ始めている。強い直射日光と言ったほうがいいか。おそらく甘い汁を吸い切った愛知のご両人は、今度の統一地方選で退場していくだろう。御老体に直射日光は危険だからね。真面目に仕事をしている地方議員から、こういった中二階の鉢に身を隠し、ひそひそと税金を食いものにしてきた長老たちへの批判も出始めている。このうねりが大きな流れに変化していけば、地方政治は劇的に変わっていくだろう。
 なにしろ都道府県議会は市町村議会を見習ったほうがいいと思うよ。