たまには方向を変えて

 テレビを見ていたら、『和楽』3月号に「追悼、中村勘三郎写真集」が付録でついてくるというCMをやっていた。早速、仕事帰りにいつもの本屋に立ち寄る。雑誌のコーナーを探すのだが結局なかった。お店の奥さんに頼んで取り寄せてもらうことにした。本命は『和楽』だったのだが、棚を物色していると次から次へと抱える本が増えてしまった。雑誌購入の基本として、記事中に読みたいものが2つ以上あれば購入することにしているからね。
週刊文春』『週刊新潮』『週刊現代』などは定番のところなのだが、昨日は、普段立ち止まらないところで引っかかってしまった。婦人雑誌のコーナーに『和楽』がまぎれているかもしれないと思ったのだ。
 そこには中村勘三郎の特集をしている婦人雑誌が何冊もあるではないか。ううむ、特集といってもせいぜい数ページである。婦人雑誌はだいたいがオールカラーで紙質も上等だから値段も張る。買おうかどうしようかと逡巡していると、そんな中に『婦人画報』の3月号を見つけた。
「能と歌舞伎の優雅な関係 市川海老蔵
「日本初公開写真でたどるオードリー・ヘップバーン
 それに表紙は宮沢りえだった。能、歌舞伎、ヘップバーンときたらドンピシャである。宮沢りえよりも深田恭子のほうがいいけれど、こればっかりは仕方がない。『婦人画報』を数冊の雑誌にまぜてレジに持っていく。お店の奥さんは「おやまあ、また変わったものを買うんですね」といった感じで笑って、袋に入れてくれた。

 久しぶりの婦人雑誌だったが、なかなかおもしろいものですな。海老蔵、ヘップバーン以外にも「京都特集」「ひな人形」、ぜったいに食べないけれど「和菓子特集」、これもぜったいに口にしないが「春のスウィーツ全60品」などグラビアが見ていて楽しいのだった。