読書会の課題図書

 今月の半ばに読書会がある。東京方面から読書家が三河に集まってくる。課題図書は『逝きし世の面影』の著者である渡辺京二の新書3冊に決まった。新書のタイトルは、『日本近世の起源』『神風連とその時代』『なぜいま人類史か』で、すべて洋泉社新書である。
 読書会の課題図書は、あまり早く読んでしまうと、当日に内容を失念してしまうこともあって、ギリギリまでとっておいて直前に読むことにしている。でも、内容が戦国期から明治期とワシャの好きな時代なので、ついつい手に取ってしまう。手に取れば読みたくなってしまうから厄介だ。

 ううむ……渡辺京二は凄いな。2ページごとに参考文献がある。これだけの本を研究対象としているとは、只者ではないな。歴史学者にありがちな持論に埋没するというところもない。歴史に対して客観的に向き合っている姿勢が評価できる。
 左翼的歴史観がはびこっていた1970年代、江戸時代は「暗黒時代」だと教えられてきた。《支配者に悪と非理を見、被支配者に善と理を認めようとする民衆史観》が日教組の望む日本史だったのだから。しかし、そんな左翼教育を受けたにも関わらず、ワシャはよくぞパトリオットに育ったものよ(自画自賛)。これも風呂で軍歌を教えてくれた父親と司馬遼太郎のおかげだと思う。
 
「沖縄はゆすりの名人」発言でアメリ国務省日本部長のケビン・メア氏が更迭をされてしまった事件を覚えておられるだろうか。これなども左翼お得意の捏造作戦にメア氏がはめられた格好だ。
 猿田佐世、メア氏を陥れたグループの首謀者である。彼女は、土井たか子が代表を務める「憲法行脚の会」の事務局長であり、女性弁護士でもある。彼女は土井の系譜を継ぐ左翼運動家で、メア氏を陥れた鮮やかな手口から言って、あるいはどこかの国の工作員ではないかと思わている。
 メア氏のような親日家を貶めることで誰が得をするのか、そう考えればワシャの言う「工作員」という言葉がさして過激でないことがご理解いただけると思う。

 なにが言いたいかというと、要するに左翼の言説にはウソが多いということである。そのことを戦国期から明治期までの歴史をたどりながら、一つ一つ丁寧に論証していくのが冒頭の3冊である。歴史が好きな人はぜひ読んでね。