東京でのセミナーのことなど その1

 深夜、自宅にもどった。
 東京のセミナーは、エキサイティングだった。終了後、講師の日垣隆さんとお話しする機会を得る。そこで「今日のお話は面白かったですね」と声をかけたところ、「今日も、でしょ」とたしなめられた。そうです。今日も面白かったです。
 午後1時前から5時過ぎまで、休憩も取らずに4時間余を独りで語り尽くされた。その情報量は半端ではない。ただ、内容があまりに過激なので、ここで書けないのが残念だ。でも、呑んだ時にぽろっと喋ってしまうかもしれないので、こうご期待。

 そうそう、講演会の終了直前に地震があった。カタカタと初期微動があり、その後、ユーサユーサと揺れた。震度2か3か……。東北の被災地に何度も入っている日垣さんは、まったく動じることなく、そのまま話を続けられた。
 この地震に誘われたわけでもないのだが、福島から来ている仲間から、被災地の状況を聞いていて、被災地に入りたくなってしまった。現在、鉄道は東京から福島まで通っていないので、高速バスが唯一の手段らしい。新宿まで行けば福島行きが出ていて、行く分にはそれほど問題はなかろうとのことだった。
「行くか」
 真剣にそう思った。
 ただ、帰りのバスが確保できるかどうかが読めないという。どうしても福島から南へ脱出する方は混んでいるらしい。それでも、福島まで行ってしまえばなんとかなるだろう。夜行で走れば5時間ほどで着く。宿もなんとかなるだろう。とのことなので、「行こう」と思った。仲間もネットで、バスや宿を検索してくれた。
 郡山から仙台まで90キロ、福島市からなら60キロくらいか。当然のことながら、その移動はタクシーになる。これは日垣さんから知恵をつけてもらったので「個人タクシー」にするとしても、タクシー代が高そうだなぁ。しかし、そんなこともあろうかと大枚を下ろしてきているので大丈夫だ。
 問題は、日程が日曜日一日しかないということに尽きる。月曜日にはワシャが主催する大きな会議がある。それにはどうしても出なければならない。せめて2日あれば、何とかなるのだが……。
 仙台に入る道は渋滞していると聞く。仙台まで入るには入れそうだが、被災地までたどり着けるという保証はない。意地だけの強行軍が可能だろうか。それに、格好もよくない。久しぶりの東京だったので、一張羅のスーツで来てしまった。この格好は被災地ではいかにも場違いだ。
 あれこれ悩んだ結果、次の機会を模索するということで、今回は見合わすことにした。う〜む、残念無念……。
(下に続く)