必死の現場といいかげんなマスコミ その2

(上から続く)
 昨日の夜のTBSの報道番組である。長峰由紀という女子アナの発言が酷かった。福島原発でポンプの燃料がなくなったために給水ができなくなったという緊急電が入ったときのことである。
 長峰は、現場で必死に対応をしている要員に対して批判的な発言を繰り返した。
「なんで燃料がなくなるんですか!」
「なんでそんなことに誰も気がつかないんですか!」
「ポンプの燃料はなんですか!」
 と、立て続けにヒステリックな声を挙げたのである。
 ポンプの燃料はガソリンか軽油に決まっている。そんなことを大声で聴くな。

 ああ、このアナウンサーも現場を知らない。フジテレビの安藤優子と同じだ。現場を見ずして、知らずして、偉そうに東京の安全なテレビ局からモノを言っているんじゃない。知らないのなら静かにしていろ。ニュースを客観的に読むだけにしろ。

 このときに同席していた災害の専門家とおぼしきコメンテーターがこんなことを言った。
「今は現場に入れないんですよ。被災地に入る方法がないんだ」
 おいおい、専門家のオッサンよ、なにを寝ぼけたことを言っているんだい。日垣隆さんは、さっさと被災地入りをして、壮絶な現場を取材しているのだよ。それでよく専門家面を下げてテレビでコメントしているよなぁ。
 日垣さんは現場の印象をこう表現している。
「メディアでは、この異様な臭いは伝わりませんよね。阪神大震災のときもそうでした。死の臭い……」
 安藤優子にしろ、長峰由紀にしろ、とぼけた災害専門家にしろ、そんな現実すら踏まえずに喚き散らしているばかりである。これがマスコミの正体だ。いいかげんにしろよ。