宮崎の東国原知事が昨日退任した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110120-00000026-maip-pol
地方の首長にあって1期4年というのは実に短い。東国原さんの場合、後半に口蹄疫騒動があり、それに掛かりきりで他の施策を手掛けることなどできなかっただろう。
「織田がつき羽柴がこねし天下餅、座りしままに食らう徳川」
たとえが突飛かもしれぬが、地方行政の首長はすべからくこの狂歌のとおりだと思っている。
まず1期目、ひたすら汗を流して餅をつく。土台固めと言ってもいいだろう。東国原さんで言えば、宮崎をついてついてつきまくって、とにかく餅にしなけれならない時期がこの4年間だった。残念ながら、後半は餅をつく暇がないほど牛に祟られた。だから宮崎餅はつきあがっていないと見ている。まだ、餅の中にもち米の粒が残っていますぞ、東国原さん。餅をきっちりとつききって、形を整えて、それを住民に食わせてから退任でもよかったのではないだろうか。
口蹄疫騒動の時に、記者の質問を浴びているとき、「私は寝ていないんだ」とヒステリックに叫んでいた。その映像を見て、「ああ、この人の本質は覚悟のない人なんだ、自分のことしか考えていない人なんだ」と思ったものだ。
今回の1期での投げ出しでも、いろいろと言い訳をしているようだけれど、根本は「厭きてしまった」、「口蹄疫対策のような面倒くさいことをしたくない」ということだろう。そして決断を踏み切らせた決定打は「東京という舞台に戻りたい」ということに他ならない。
彼が東京都知事に打って出るというならそれはそれでいい。だって、ワシャは東京都民じゃないからね。でも、国政に出馬するというなら止めてほしい。田舎餅もまともにつけないような資質の政治家にこの国の舵はわたせない。
さあて、愛知県知事選挙が告示された。またまた街頭がかまびすしくなるわい。いろいろな候補が立っているが、とにかく1期で投げ出すような真似だけはよしてくれ。
なんにせよ、愛知も田舎である。地方自治というのは実は地味な仕事の積み重ねで、東国原さんのようにパフォーマンスに走ってばかりでは困るのである。
是非、愛知県知事には地に足の着いた深く考えを巡らせることのできる大局観のある人物になってほしいものだ。