乳母日傘に国政を任せられるか その1

 乳母日傘(おんばひがさ)で育てられたような柔弱な世襲議員では、国際社会という修羅場で戦っていくことはほぼ不可能といっていい。
 小林よしのり編『日本を貶めた10人の売国政治家』で栄えある第1位に輝いた「江(江沢民)の傭兵」こと河野洋平も、祖父の河野治平神奈川県議会議長から数えて三代目の紛うことなき世襲の殿様である。箸の上げ下ろしまで乳母や召使がやってくれるので、ものを考えるということをしなかった。だから、官僚という召使が「こうなされませ」と指示をすれば、そのまま発言してしまう。「河野談話」という虚言がどれほど日本の国益を損じたことか。
 この人、朝日新聞に5回の連載で「河野洋平の感慨」と題してインタビューを載せている。その中で「村山談話はよかった」とか言っている。少しそのあたりを拾い出す。
朝日新聞アジア外交の基盤になった村山談話は、従軍慰安婦をめぐる宮沢内閣の河野官房長官談話と同様、右から「国賊もの」と攻撃されます。』
河野『視野の狭い考えですね。あれだけの戦争をして内外の膨大な人命を奪い、植民地支配で屈辱を与えたのだから、けじめをつけてアジアの安心と信頼を得るのは日本の国益にかなうのに……』
 詳細な反論は控えるが、河野談話は、存在しない戦争犯罪に対して「日本が悪うございました」と認めてしまい、この官房長官が謝ったことを根拠にして特定アジアから突き上げを食っているのだ。史実、現実を踏まえずして、浅薄な情報だけでモノを言うから、その後、何年も付け込まれることになる。

 前置きが長くなった。
http://sankei.jp.msn.com/world/asia/090610/asi0906102141002-n3.htm
 ベトナムがロシアに接近している。どうやらロシアから潜水艦を購入するらしい。これは中国海軍の軍備拡大、南シナ海への侵略を念頭に置いた対応行動で、ベトナムばかりでなく、マレーシア、シンガポールインドネシアなどが海軍力の増強を進めている。このため南シナ海では中国と沿岸諸国の間で緊張が高まりはじめた。
 東南アジアの各国でもきちんと自分たちの主張を伝えるため、領土の保全を図るため軍備の強化を進めている。それがどうだ。東アジアの先進国の日本は、潜水艦を建造するどころか軍備の縮小をしているのである。中国が外洋支配を狙って軍事力を着々と増強しているにも関わらず。
(下に続く)