京都

  薪木(くろき)買わんせ
    くろき、召しませ

 大原女(おはらめ)が沈んだ売り声をあげて河原町通を過ぎたあと、その白い絆脚(きゃはん)を追うようにして、日和雨(そばえ)がはらはらと降ってきた。
「静かですな」
 沖田総司がいった。
 絵のような、京の午後である。元治元年の六月一日。
 祇園会も近い。

 上記は、司馬遼太郎燃えよ剣』、「池田屋」の章の冒頭部分である。土方歳三沖田総司が京都河原町四条に並ぶ小間物屋の2階から通りを見張っている場面だ。旧暦の6月上旬は、新暦でいうとちょうど今時分にあたる。

 7月17日は、祇園会の初日、天気は終日雨模様らしい。湿度が高くて蒸すんでしょうね。
 実は、今日、明日と、所用で京都に出掛ける。暑いが、夏の京都は嫌いではない。やっぱり新選組の臭いがするからなんでしょうね。せっかくなので何冊か関連本を持っていこうと思っている。子母澤寛新選組三部作『新選組始末記』、『新選組遺聞』、『新選組物語』(すべて中公文庫)あたりがいいだろう。

 それでは行ってきま〜す。