イタリアで地震

 ふ〜ん、M6.3の直下型地震か。震源の深さは10キロ、うむ、人的被害の出る地震だ。現時点(午前6時)で死者92人と発表されている。この数字はまだまだ増加するだろう。
 震源はローマから北東に100キロほどの山間地アブルッツォ州の州都ラクイラである。人口は7万人弱、中越沖地震で被害を受けた柏崎9万4000人と比べても小さい町といえる。
 ついでだからいくつか比較をしてみよう。ラクイラ地震はM6.3、中越沖はM6.8だった。震度はラクイラ10キロに対して中越沖17キロ、マグニチュードと距離を併せて考えれば、同規模の地震と言っていい。
 しかし、死者数が大きく違う。中越沖地震の死者数が10人であるにも関わらず、ラクイラは100人を超えるだろう。この差は、端的に言って建物の強度の違いということになる。写真でしか判らないが、半分が崩壊した5〜6階建ての建物を見る限り極めて脆弱な主体構造部が見てとれる。これは、四川大地震でもパキスタン北部地震でも感じたのだが、どの国も建物の構造部分が弱い。これでは建物は積み木のように倒れるのは必然である。
 日本と同様にイタリアでも中国でもパキスタンでも、みんな地震国なのに、地震に対するこの対応の差は大きい。
 乱暴だがこのことを一言で決めつければ、「国民性の違い」ということに尽きると思う。そろそろイタリアに行く時間が迫っている。間違えた。出勤時間が迫っていたんだった。ラクイラの被災地に救援活動に出掛けたいが、防災担当でもないし金もないし、一刻も早い生存者の救出を祈りつつ仕事に出掛けるのじゃった。