国としての矜持 その1

 昨日、e−honで頼んでおいた本が届いたという連絡があったので仕事帰りに書店に立ち寄った。届いていたのは、立川談志『現代落語論』(三一新書)と芥川也寸志『音楽の基礎』(岩波新書)の2冊だ。これらは昨年の秋以来続いているメールの上でやりとりをする読書会の課題図書だった。
 本屋を覗いて素通りもなんだからと棚を物色する。むむむ、『大日本帝国海軍全艦艇』(世界文化社)の表紙に描かれた「重巡洋艦高雄」のフォルムが美しいではあ〜りませんか。即買いじゃ。その横に、黒野耐『戦うことを忘れた国家』(角川oneテーマ21)がある。帯には「この国はいつまで負け続けるのか?」と衝撃的なコピーが踊る。日本の行く末を深く憂慮しているワシャとしては、この手の本は買っておかないとね。
 おおお、『役立つ新書が3分でわかる本』(リイド社)とはなんと解りやすいタイトルだろうか。文藝春秋日垣隆さんの連載「新書一点賭け」が終わってしまったので、新書の指針を失って困っていた。屁の突っ張りくらいにはなるだろうと購入。
 およよ、美術のコーナーに入ったら、フェルメールの「青いターバンの少女」がワシャを見つめてくる。『絵画の見方・楽しみ方』(日本文芸社)の表紙だった。手にとってパラパラと繰ってみる。う〜む、古今東西の名画が見開きでわかり易く解説してある。知ったかぶりをするにはいい一冊ですぞ。
 やや!その隣に、辻惟雄岩佐又兵衛 浮世絵をつくった男の謎』(文春新書)が平積みされている。表紙はショッキング〜だ。牛若丸の母の常盤御前って知ってますよね。その常盤が盗賊に胸を刺されて流血しているシーンを表紙に持ってきている。「山中常盤物語絵巻」巻五の常盤殺しの場面である。
http://www4.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=427365&log=20061127
 岩佐又兵衛に興味のあるワシャが買わないわけにはいかないのだった。
(下に続きます)