灯明となる本

 いろいろなことが重なって少々へこんでいた。そんなところへe−honで頼んでおいた書籍が4冊届く。本を手にすると少しだけ元気になる。
論語』(岩波文庫
 これはある勉強会のテキストとして買った。
W・リップマン『世論』(岩波文庫
ソースティン・ヴェブレン『有閑階級の理論』(ちくま学芸文庫
 この2冊は日垣さんの開設したメール上の古典読書会の課題図書だ。
 そして4冊目は、日垣隆『学校がアホらしいキミへ』(大和書房)である。昨年末をもって日垣さんが各雑誌の連載を休止された。このため日垣さんの文章に渇していた。だからいの一番に手に取る。
(只今読書中只今読書中只今読書中)
 なるほど……日垣さんはホントに子どもたちのことを心配しているんだなぁ。待てよ、この優しさによく似た本をかつて読んだことがあるぞ。なんだったっけ?おおお、思い出しましたぞ。司馬遼太郎の『二十一世紀に生きる君たちへ』だ。
 もちろん、両書の内容はまったく違うし、文体だって異なっている。司馬さんのやわらかい語り口に比べて、日垣さんは少しだけ子どもたちを突き放すように書いている。でもとても温かいんですな。
 今を生きている子どもたちは幸せである。『二十一世紀を生きる君たちへ』と『学校がアホらしいキミへ』を灯明にして人生という暗い長い道に歩み出すことができるからだ。
 子どもの頃にこの2冊の本と出会っていればワシャももう少しまともな人間になれたのにねぇ。
 今、学校のことや生きていくことに悩んでいる中学生のお子さんがいるならば、急いでこの両書を求められよ。そして子どもに与えるのだ。さすれば道は開かれん。へこんでいたいい歳をしたオッサンですら元気になりましたぞ。
 さあて、今から仕事に出掛けます。高層マンションで防災訓練をやるので、駆り出されております。では、行ってまいります。