鶴橋大変

 ブックオフで本を物色していたら、先刻、焼肉屋で補給したビールが下りてきたようだ。「トイレに行かなければ!」と酔った頭が思った。ここは駅だ。どこかにあるだろう、と思ってフラリと店を出た。酔っ払っているのと、『大阪市「鶴橋地区」交通バリアフリー基本構想』にも書いてあるが、トイレへの誘導が悪いのとでなかなかトイレが見つからない。困った。さっきの焼肉屋に戻ろうか、どこかの飲食店で借りようかと悩んでいると、酔眼にトイレの表示が映ったではないか。これぞ天恵、急いで駆けこもうとしたのだが、そのトイレ、改札口の中にあって行けないのじゃ。
「ええい、入場券を買って入ってやれ!」とも思ったが、当たって砕けろだ。改札の駅員に「トイレを使わせてくれ」と申し出ると、あっさりと「どうぞ」と言うではないか。鶴橋の駅員やさしいぞ。名古屋の地下鉄の駅員とはえらい違いだ。感動しながら改札口を通過してトイレに駆けこんだのである。あと6秒遅かったらちびってしまったところじゃわい。めでたしめでたし。