虫に注意 その1

 ワシャとしたことが油断をした。午後11時頃のことだ。駐車場に停めてある車の中に手帳を忘れてきてしまった。取ってこなければ明日のスケジュールを立てられないので、Tシャツに短パンという出で立ちで気軽に外へ出た。
 車まで裏口から10歩、車のドアを開けて手帳を取って、車から裏口まで、また10歩、なななんと、たったそれだけの行動で、足を3箇所もやぶ蚊に刺されていたのだ。なんたる素早さ。「やられた」と思いながら書斎(物置とも言う)に戻って、手帳をめくっていると左の二の腕になにやら気配を感じる。ふと見れば足に白い斑紋のある薮蚊がチュウチュウとワシャの血を吸っているではあ〜りませんか。
「鉄拳制裁!」と平手打ちくらわせたが、痛いのはワシャの腕ばかり、敏捷なヤツだ。どうやら外から戻る時に何匹か連れてきてしまったようじゃわい。以降、3箇所も噛まれてしまった。これがスズメバチだったら偉いことだった。

と、書いていたら冗談ではない。栃木県で77歳の女性がスズメバチの大群に襲われて亡くなられた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060918-00000104-yom-soci
 91箇所を刺されたそうだが、凶暴な殺人蜂は徹底的に攻撃を仕掛けてくる。一旦、ヤツらの射程距離に入ったらどうしようもないようだ。年間30人程度がこの凶暴な虫のために命を落としている。
 どうすれば凶暴な虫に対抗できるのかを調べてみたが、基本的に危機から脱する手段はないといっていい。例えば「襲われたら手などで払ったりせずに、後ずさりしながら逃げましょう」くらいしか方法がないのだそうだ。また「スズメバチは黒いものに襲いかかってくるので、頭部を隠すために帽子を被れ。黒っぽい服を着用するな」ということなのだが、これはあくまで事前予防策で、襲われたときの対抗策ではない。今やスズメバチは羆や蝮よりも恐い生き物なのだ。そりゃそうだ。羆が100頭も襲ってきたり、蝮が100匹も噛みついてきたりはしない。普通は1固体で攻撃してくる。それだけに不意打ちさえくらわなければ対抗方法はいろいろとある。しかし、スズメバチは栃木県の事件でも解るとおり、100単位で攻撃を仕掛けてくる。わずか3匹の蚊ですらどうしようもないというのに、100匹ではなす術がない。
(下に続きます)