やられた

 e−hon(全国書店ネットワーク)で本を注文してあり、「書店へ到着しました」というメールが届いたので、宴の前に受け取りにゆく。荷物になるので頼んだ本だけ受けとって……と、思っていたのだが、書棚をちょっと物色したら「司馬遼太郎」という文字が目に入ってしまった。
 だいたいこの時期(明日12日は10回目の「菜の花忌」)に出版する「司馬遼太郎」という名前を冠した本にまともなものはないだろう。いわゆる便乗本と言っていい。無視してその棚を通りすぎたのだが、ううう……司馬さんに後ろ髪を引かれてレジカウンターに行けない。仕方ないのでUターンして、件の棚に戻った。
 司馬さんの名前があるので、敬意を表して手に取るだけですぞ。どっちみち大した内容であるわけがない。チラッと眺めて棚に戻そう。
 ううむ、『司馬遼太郎と城を歩く』題の付け方はうまい(ぐっときたけど買わないもんね)。装丁はクリーム色の平に背の部分が御納戸の青、その青に桃色の桜の花びらが細かく舞っている。なかなか上品な本ですぞ(汗)。帯には資料を見つめる司馬さんの写真だ(汗汗)。
 目次を開く。おおお、五稜郭から首里城まで全国35の司馬文学に登場した城郭が網羅されているではないか。資料としても使えるな。そしてなんと「岡崎城」が載っている。オールカラーだし、司馬さんの写真はふんだんに使ってあるし……
 ということで、やっぱり購入とあいなりました。

 レジカウンターで当初の目的である本を受け取り、ついでに各出版社のPR誌を数冊貰ったので、結局、一荷物になってしまった。
 宴会が始まって『文藝春秋』を買うのを忘れたことを思い出した。今月号は「現代人必携 日本の常識」という特集がある。44人の論客が持論を展開しているのだ。その中に日垣隆さんもいる。「買いに戻る」と席を立とうとするのを感じの悪い幹事に止められた(笑)。明日(つまり今日)買いに行くのじゃ。