身を守る

 香川県香川町で6日の昼ごろに28歳の青年がファミリーレストランの駐車場で危地害の包丁一突きで殺された。
 危地害がらみなので当然のことながら朝日新聞には載らないし、ネット上のニュースからも削除されている。それはそれで問題なのだが、この際、それは置くとして、しかし、なぜこの青年はあっさりと殺されてしまったのだろうか。

 例えば、あなた、包丁を持っていなくたって見ず知らずの人間があなたの半径2メートル以内に侵入してきたとしたら警戒しないですか?さらに見ず知らずの男が右手に包丁を持っていたら、あなたは自分の半径2メートル以内に侵入させますか?
 ゴルゴ13が生き延びているのは、彼が自分以外のすべての人間を信用しなかったからです。もちろん我々はゴルゴ13ではないので、背後に立つ敵を一撃で倒すようなことはできないでしょう。でも、周囲の状況に気を配り、不審な人物に注意を払い、不審者が危害を加えようとしても避けることができるだけの間合いをとり、それでも突如として攻撃を仕掛けてくれば、防御体勢をつくって急所を守り(胸や腹に比べれば腕や肩のほうが被害が少ない)、そして次のアクションとして反撃をするか、あるいは逃走するか、即断できるようにしておきましょう。でも相手は狂っていますから逃げるほうが無難でしょうね。

 ワシャはブックオフで本を物色する時も、他の客が近づいてくると必ずその方向に体を開き、視界の中に人物を捕らえながら立ち読みをしています。少林寺拳法の八方目(はっぽうもく)という技を身につければ近づいてくる人物が危険物を持っているかどうかくらいは、本の目次を読みながらでもわかるんですな。そしてすれ違い様にすぐに90度反転し過ぎて行く人物を見送ります。これをワシャは「ゴルゴ立ち読み」と呼んでいるのじゃ。
 ゴルゴ立ち読みの欠点は、くるくる反転ばかりしているので疲れてしまうのと、誰かにじっと観察をされると変なオジさんということがばれてしまうことくらいだ。
 冗談はさておき、現代人は殺気を感じる感覚が退化しているように思える。もっと五感を研ぎ澄まし昔の武士のように危険を先取りし、リスク回避ができるようにしたほうがいい。
 てなことを考えながら歩いていたら、三輪車に乗った近所のガキンチョに背後から追突されてしまった。
 不覚!